プロジェクトストーリー


プロジェクトメンバー

  • 熱エネルギー技術部
    汎用熱交グループ グループ長
    1991年入社

    安東 賢二

    Kenji Ando

  • 熱エネルギー技術部
    汎用熱交グループ マネジャー
    1992年入社

    三木 啓治

    Keiji Miki

  • 熱交換器営業部汎用営業グループ
    アシスタントマネジャー
    2008年入社

    四栁 太清

    Motokiyo Yotsuyanagi


エピソード01

常に、よりよいものを。

機械や電気製品を動かすと、エネルギーのロスによって熱を生む。
そして、その熱を冷やし、排出しなければ必然的に機械内部の温度は上昇し、安全に機能しなくなってしまう。
住友精密工業が誇る「熱交換器事業」のうち汎用熱交部門は、多くの機械や電気製品を安心・安全に機能させる「熱交換器」を世の中に提供するものだ。
とくに、新幹線をはじめとした高速鉄道車両に向けた「熱交換器」には定評があり、フッ素系の冷媒を用いた沸騰冷却器を中心に、顧客から絶大な信頼を寄せられ、確固たるシェアを築き上げている。本プロジェクトは、とある市場ニーズを受けて、独自の技術開発を行ったことがきっかけとなった。

「沸騰冷却器は確かな性能を持った製品ですが、価格が高く、地球温暖化係数の高いフッ素系冷媒を用いています。以前から、『安価で冷媒を用いない冷却方式が実現できないか』という要望があり、最もシンプルな冷却体であるヒートシンクを高性能にする研究を進めていました。」
そう話すのは、同プロジェクトの牽引役を担った安東である。依頼された部品をつくるだけでは、顧客に信頼され続けることはできないし、他社との競争に打ち勝つこともできない。住友精密工業には、常に「よりよいもの」を創造していく気概が満ち溢れているのだ。


エピソード02

シンプルと高性能を、技術で共存させる。

ヒートシンクは伝熱特性の高い金属を用いて、電子部品を熱から守るための部品である。「新製品を開発するためには、矛盾した条件を技術で解決する必要がありました。」と安東は話す。
「本来、沸騰冷却器は構造を複雑にすることで性能を得るもの。
そして、性能を上げようと思うならコスト高になります。けれど、今回の開発はシンプルな構成のままで、無駄を抑えつつ、高性能にする必要があったんです。」
その難題を解決すべく、開発主担当に命じられたのは三木。
入社20年を超える熟練の技術者である。プロジェクト責任者である安東と議論しながら、設計から試験、量産設計まで幅広く担当した。

「目的はシンプルかつ、高性能な製品をつくること。ですから、冷媒を用いず、熱伝導と熱伝達の最適化を突き詰めることにしました。この製品、一般の人からすれば“ただの金属製の格子”に見えてしまうかもしれません。けれど、微妙な構造の違いやスペースの開け方など、効率よく放熱する仕組みが随所に活かされているんです。求める性能を実現するために、仮説と検証を繰り返す日々はとても困難なもの。試作した製品は100以上を数えました。」
開発期間はおよそ2年。試作といえど、その製作にはかなりの手間がかかり、2か月近い時間を要する。同時に複数のアイデアを進めながら、性能試験で起こる現象を観察。「なぜ、そうなるのか」「どうすれば、よりよいものに仕上がるか」を徹底的に追求した。こうした努力の積み重ねは、やがて実を結び「シンプルで高性能」なヒートシンクが完成。従来製品と比較して大幅なコスト減も実現した。


エピソード03

実用化デビューは、海外のビッグプロジェクト。

新たな技術・製品が誕生しても、それが実際に採用されなければ意味を 成さなくなってしまう。しかし、チャンスは程なくして訪れた。
国内大手メーカーが海外高速鉄道の車両製作と長期メンテナンスを受注。そこに用いる部品に対し、このヒートシンクを提案することになった。 その営業を一手に担ったのが、四柳である。
「当社にとって重要な案件であるとともに、日本の鉄道車両ビジネスを 発展させる意義のあるプロジェクト。絶対案件を受注してみせると意気込んでいました。競合相手として、廉価の中国製品がありましたが、お客様は製品以外に30年の保守契約を締結しているため、ランニングコストの観点から高信頼性がもっとも重要であることは明白。品質面での優位性を実証データでアピールしようと考えたのです。」

国内の鉄道ビジネスはすでに成熟しており、国内メーカーも海外案件にシフトしている現状があった。いかに顧客の要求に応えられるか。四柳は、安東・三木との連携を密に、顧客へアプローチしていく。ただ、この新製品は実際に運用された経験がなく、実証データをとる作業は実に難しいものだったという。三木は当時の心境をこう話してくれた。
「お客様の仕様に合わせて、大きなサイズにした時に確かな性能を担保できるか。そこは大きな課題でした。けれど、理論や構造については自信があったので、不安はまったくありませんでしたね。製作にはかなりの手間がかかりましたが(笑)。」
“ヒートシンクで求める性能が発揮できるのか?”。当初は半信半疑だった客先担当者も、その実証データに納得。競合相手と迷うことなく、採用が決まった。それは、顧客の本質的な要望をつかむ営業の力と、市場を先取りした研究開発の成果であったと言えるだろう。


エピソード04

どんな仕事でも、その熱は変わらない。

かくして、住友精密工業の挑戦から生まれた技術は、脚光を浴びる大プロジェクトで、早々に実用化されることとなった。自らの技術が世界の大舞台で活かされている。その喜びや達成感は、ひときわ大きなものだと思いきや、当の本人たちはいたって冷静であった。

私たちが手掛ける製品は、新幹線などにも使われていますが、そこで何か偉ぶったりする気はさらさらないですね。私も三木も、感覚が麻痺しているんですかね? ただ、自分たちが考え、その通りの性能を実現できたことには満足しています。でも大げさに感動するなんてことはないです。お客様も『あ、本当にこの性能が出るんだなぁ』と淡々としていましたから。ものづくりをする人ってそういうものなのかもしれませんね。

安東 賢二

この高速鉄道の受注が、新聞や雑誌で取り上げられているのも知っています。
けれど、仕事の大小で、力の入れ方が変わるわけではない。そこに特別な感慨はありません。
私たちはただよりよいものをつくり、一人ひとりのお客様に満足していただくだけです。

三木 啓治

とはいえ、受注できたことが何よりの収穫。熱交換器は表立って目立つ製品ではありませんが、冷却システムの中で非常に重要な役割を担うもの。そういう意味では、海外向けの高速鉄道に当社の製品を採用していただいたのは、"トラブルを起こさずに安定的に定時運行ができる"というお客様の評価だと捉えています。

四柳 太清

自らの仕事に誇りを持つことは大切なことだ。けれど、そこに甘んじては自身の成長も技術の発展もない。
常に、さらなる高みを目指し続けているからこそ、彼らはその実績をひけらかすことはしない。よりよいものをつくる、顧客に満足してもらう。
それだけでいいのだ。その姿勢は、ひとつの道を究めんとする『匠の心意気』を感じさせる。


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