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データセンター向け熱交換器「サイフォレックス®」の年産3万台の量産体制を確立 空冷式熱交換器で1000W級高発熱領域を冷却可能に
住友精密工業は、尼崎本社に新ラインを創設し、データセンター向け熱交換器「サイフォレックス®」(相変化型CPU/GPU※1冷却器)の年産3万台規模の冷却器量産体制を確立しました。
今回の量産体制確立にあたり、生産工程の自働化による高い品質・生産効率の実現と厳格な品質管理及び生産管理体制を両立。また、安定供給のためにサプライチェーンを最適化し、チップメーカー、サーバーメーカー、バーンイン検査装置※2メーカーなど、各メーカーの多様なニーズに迅速に対応できる体制を整えました。これは、第一期投資の位置付けであり、今後は年産50万台以上のさらなる量産体制強化も視野に、事業拡大を目指します。
データセンター向け熱交換器「サイフォレックス®」とは、AI・HPC※3向けに開発した高性能空冷冷却器です。高熱化するCPU・GPUの熱除去需要に応えるため、AIサーバー用で1000W級、バーンイン検査装置用では4000W級の高発熱にも水を使わずに対応できます。当製品は、新幹線をはじめとする鉄道車両などに30年以上採用され続け故障や不具合のない抜群の信頼性を誇る「相変化型冷却器※4」の設計・生産技術を基に、小型化・高性能化した新モデルです。多種多様なサーバーに最適なサイズや形状の設計も可能です。空冷式のため、水冷式装置と比べ導入コストが5分の1~10分の1に抑えられます。またメンテナンスフリー・高寿命・高信頼性を実現。省エネや環境負荷低減を通じて持続可能な社会の実現に寄与してまいります。
今後も「サイフォレックス®」の技術革新と品質向上に努め、データセンターで主流の空冷設備を活かしつつ高効率化を図ってまいります。さらなる市場拡大とお客様の多様なニーズへの対応を目指して体制強化を進めてまいります。
※1 CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)…コンピュータの頭脳とも呼ばれ、プログラムの命令を解釈し、計算や制御を行う主要な部品。
GPU(Graphics Processing Unit:画像処理装置)…主に画像や映像の描画・処理を高速に行うための部品ですが、近年はAIやHPC分野で大量のデータ処理や並列計算にも活用。
※2 バーンイン検査装置 半導体や電子部品などを一定期間、高温・高負荷などの厳しい条件下で動作させることで、初期不良や潜在的な故障を早期に発見するための装置。
※3 HPC(High Performance Computing:高性能計算) 略語で膨大なデータ処理や複雑な計算を高速に行うためのコンピュータ技術・システム。
※4 相変化型冷却器 冷却媒体が液体から気体へ変化する際の潜熱を利用し、効率的に熱を移動させる技術

■住友精密工業について
航空機装備品に使用される高強度金属材料の精密加工技術を基盤とし、航空機のプロペラや脚システム、産業用の熱交換器や精密油圧機器、ICT事業まで幅広く展開。
現在熱交換器事業は、航空機・新幹線など輸送機用熱交換器から、プラント向け熱交換器やデータセンター向け熱交換器まで幅広く展開している。
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